2016年1月31日日曜日

大西洋に面したエッサウィラで魚を食べ、猫と戯れる(2016年1月16日)

ロンドンから到着早々、世界観の違いを味わったマラケシュを一度離れてエッサウィラへ。
大西洋に面したエッサウィラは魚が美味しく、芸術家が多く住む町として有名なようだ。

7年半前にモーリタニアから西サハラのダハラ、
知らぬ間にモロッコに入ってアガディール、エッサウィラと北上したが、
6月の音楽祭直前で人があふれていた。
音楽祭の只中は宿代が跳ね上がるので2泊で去ってしまったエッサウィラ。
7年半ぶりに再訪するとオフシーズンとあって観光客もそう多くなく、居心地良い。



当時なかった日本人宿カモメ号に滞在する。
マラケシュ〜エッサウィラの移動でsupratourというバス会社を利用し、
3時間ちょっとでエッサウィラの停留所に到着すると、
カモメ号を営んでいる日本人女性が待っていてくれた。
自力でたどり着くのが不可能な日本人宿であり、
予約して迎えにきてもらう必要がある。

ちょっと残念なことにカモメ号本館が改装中で、
別館アパートのドミ部屋を利用しなければならなかった。
携帯用ルーターのため上階でのみアクセスできるWiFiがかなり遅く、
湿気臭いドミ部屋で80ディルハム(1000円)は割高。
60ディルハムでシングルルーム、部屋でも速いネットが繋がるマラケシュのホテル•メディナから来るとそう思ってしまう。

小汚かったエッサウィラの旧市街も7年半経つと若干小奇麗になっており、
フランス人が前よりも目立つようになった。
リタイヤ組が多く住んでいるそうだ。


建物の壁が若干朽ち果てている旧市街に中世のような雰囲気が漂っている。



路地を曲がり、暗いトンネルをくぐり、
人気のない路地を直進し、袋小路にあたったら引き返す。
おもむくまま生きた迷路をさまよう。
歩いているだけで楽しく、それだけでここに来た甲斐がある。





芸術家が多く住み、フランス人に人気ある町だけあって
絵画や雑貨がたくさん売られている。
朽ち果てた石造りの旧市街に色彩豊かな土産物が似合う。




猫にとって天国のエッサウィラ。
水揚げする魚は市場やリヤカーで売られているが、
余ると猫の餌になるとか。
食に不自由しない猫たちは路地で戯れ、のんびりと昼寝している。




旅行者もまた食に不自由しないグルメの町でもある。
揚げた魚は8匹で15ディルハム(180円)と安くて美味い。


安めの小洒落たレストランで35ディルハム(400円)のシーフードグラタンや
69ディルハムのシーフドスパゲティなんかも食べられる。


昔日本人が始めたというたこ焼きの屋台もあった。
残念ながら1個4ディルハム(50円)もするたこ焼きや売り切れで
1個5ディルハムのイカ焼きを食べてみた。
やはり日本で食べるたこ焼きの生地からかけ離れていたけれども。


ロンドンから飛んできて間もないだけについついグルメ三昧になってしまった。


カモメが多いエッサウィラ。
穏やかなビーチと違い、旧市街北西の海は荒々しい。
城壁に見晴し台があり登ってみると、
東映のオープニング映像で流れるような波が岩にあたって砕ける光景が広がっている。


上空を舞うカモメの数が半端ない。


海風に乗り、流されながら遊んでいるようだ。
猫たちと同様、カモメにとってもエッサウィラは天国なのかもしれない。


カモメ号のWiFiが遅いので、夕暮れ前から海が見えるカフェで過ごす。
泳げない自分にとって海でサーフィンするより
海を見ながらネットサーフィンする方が性に合っている。



夕暮れ前になるとカフェの最上階から荒々しい大西洋と夕焼け、
飛び交うカモメたちを眺めた。



サハラ砂漠や魅力的な町が多いモロッコ北部に行く前にあえて足を伸ばしてみる価値があるエッサウィラと言えそうだ。










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2016年1月25日月曜日

ロンドンから世界観が違いすぎるモロッコのマラケシュへ

ダブリン小旅行を含めて3週間滞在したロンドンを去る。
憧れていたロンドンアイからの年越しカウントダウン花火を見る願いも叶い、
イギリスの超物価高、冷たい雨が舞う天候にも負けず快適なロンドン滞在を過ごせたので思い残すことはない。
イスタンブールからブルガリアのソフィア、ギリシャやキプロスの島々、
年末年始のロンドンでのプチ滞在とダブリン小旅行まで
2ヶ月ちょっとのヨーロッパを舞台とした住み渡りを一度切り上げて北アフリカへ向かう。
2008年に8ヶ月間旅して廻ったアフリカ大陸を今回の世界周遊で再び訪れる予定はなかったけれども、
ヨーロッパの冬が寒すぎること、今春アメリカへ飛ぶ前にマルタとイタリア旅行するまでの繋ぎとしてモロッコとチュニジアをまったり周遊するつもり。


2016年最初の本格的な旅としてロンドンからモロッコのマラケシュへ飛ぶ。
モロッコは2008年に50日間旅しており、快適で異国情緒があって好きな国の1つなので、
7年半ぶりの再訪に安心感がある。
日照時間が短く、物価高で寒くてひもじいヨーロッパ諸国からの避寒地としても良さそう。

北アフリカの入口までのフライトに面倒なライアンエアーを利用した。
ロンドンのスタンステッド空港発が午前6時10分なので、
ロンドン•ビクトリアコーチステーションから12ポンド(2000円)もするバスで夜空港に向かい、荷物預け入れが始まる午前4時まで空港野宿。
ライアンエアーは事前にオンラインでチェックイン手続きを済ませ、
ボーディングパスをプリントアウトしておかなければ追加料金をとられるというクセもの。
見方を変えれば、預け入れ荷物がない場合、
空港カウンターをスルーしてプリントアウトしたボーディングパスを持って搭乗ゲートに直行出来るいう利点があるものの、
今回はバックパックを預けなければならない。
さらにチェックインカウンターでビザチェックというスタンプをもらわなければ
搭乗ゲートまで進んでも飛行機に乗せてくれないという嫌がらせのようなシステム。
実際に午前4時前に荷物預け入れを終え、忘れることなくビザチェックのスタンプを押してもらい、
セキュリティチェックを抜けてトランジットルームに入って案内板スクリーンを見ると、
出発1時間前になっても搭乗ゲートの番号が表示されなくて焦ってくる。
確かに航空運賃は他にないほど格安なライアンエアーだが、
いかに乗客から追加料金を徴収したり、あわよくば飛行機に乗り遅れさせようとする魂胆が見え見えで嫌がらせのようなLCCだ。
料金の安さに惹かれて今後マルタからミラノに飛ぶフライトもライアンエアーにした自分が情けなくなってくる。

何はともあれ、寝不足でいつ離陸したか、いつ着陸したかも分からないフライトで
後席の女の子の泣き声に苛まれつつマラケシュ空港に10時前に到着した。
モロッコの入国審査はスムーズ。
2000年の人生初のモロッコ入りでスペインのアルヘシラスからタンジェに船で到着したときのアフリカ大陸の喧噪に包まれた緊張感もないし、
2008年にモーリタニアのヌアディブから砂漠に沿った道路を走るシェアタクシーで国境に到着し、モロッコの入国手続き、荷物チェックなどで4時間以上イミグレで足止めをくらったストレスもない。
意外と閑静な空港アライバルのATMでモロッコ通貨ディルハムを降ろし、
空港前のバス停から旧市街の中心ジャマエルフナ広場に直行する。
片道30ディルハム(360円)はモロッコの物価でボッタクリだろうが、
地下鉄の初乗り現金で4.9ポンド(900円)のロンドンから来ると別の惑星にいるみたいに安い。

ジャマエルフナ広場に着いて早々チェックインしたのはホテル•メディナ。
広場南西の安宿街の一角にあり、入り組んだ路地を進まなければならないので見つけづらい。


シングルで60ディルハム(720円)の清潔でマラケシュらしくピンクで統一された部屋。
開放感のある中庭もいい。
2日前まで3300円のロンドンのドミトリーに泊まっていたのが幻に感じてくる。




チュニジアに飛ぶ2月15日まで一ヶ月以上滞在する二度目のモロッコ。
急がずまったり周遊するのが今回のモロッコ旅行なので、
ロンドンのスタンステッド空港徹夜の疲労を夕方過ぎまでピンクの部屋で癒す。
ちょうど日が暮れた頃、ジャマエルフナ広場へ。
モロッコ一、いやアフリカ一かもしれない活気あふれるジャマエルフナ広場。
昼間からコブラ使いの笛吹き、囃子隊が観光客から金をせびっており、
夕方頃から大道芸人、偽ブランド時計売りのセネガル人、地元の人々が増え、
たくさんの屋台がオープンしてお祭り騒ぎになる。



以前からお気に入りの広間南西にあるCafe Glacierから夕暮れ時の旧市街を眺める。
ホテル•メディナにも近く、3日間毎日通ってしまった。




ジャマエルフナ広場を屋上テラス席から一望出来る好立地のカフェだけあって
ミントティー一杯で15ディルハム(180円)と高め。


地上から流れる太鼓や笛の音にロンドンと世界観が違いすぎるモロッコのアフリカらしさを感じていると、
午後6時前にぴたりと音楽が鳴り止み、同時にアザーンが流れ出す。
旧市街のあちこちのモスクから合唱のように流れるアザーンはアフリカよりも中東を想起させる。
昼間の暖かさが残り寒さもなく、前日までいたロンドンが嘘みたいだ。


1000円だしてもろくなものが食べられないロンドンの鬱憤を晴らすごとく
ジャマエルフナ広場でグルメ三昧。
呼び込みがしつこく、観光客しか座っていない閑散とした屋台をスルーし、
地元人であふれる屋台へ飛び込む。
それぞれの屋台に番号があるのが分かりやすい。


14番の屋台はイカや魚のフライで人気があるらしく、皆同じものを食べている。
自分も25ディルハム(300円)のイカと魚のフライを注文する。
久しぶりに食べる魚介類はやはり美味い。


モロッコでどこでも見かけたハリラスープも安くていい。
カップで3ディルハム(36円)なので毎日通いたくなる。


広場の珍しい屋台としてエスカルゴも人気があるようだ。
見た目は触覚もあるカタツムリだけれども、食感も味も懐かしさがある。



モロッコに着いて早々だと、モロッコ国民食のタジンとクスクスも食べたくなる。
タジンやクスクスも屋台にあるものの、観光客向けが多いので広場を避けた庶民的な食堂の方が美味しい。
ジャマエルフナ広場から遠くない食堂街で適当に一軒の大衆食堂に入り、
マラケシュでの3日間チキンタジンやプルーンタジン、野菜やビーフが載ったクスクスを食べまくる。
どれも30ディルハム(360円)前後であり、
ギリシャ、キプロス、イギリスで高すぎて手が出なかった久しぶりにまともな食事になる。





マラケシュの旧市街メディナは世界遺産に登録されている。
7年半前は6月下旬で暑く、日中から歩き回る気になれなかったが、
二度目のマラケシュは朝晩が冷え込む1月なので逆に昼間くまなく探索する。
もともと赤褐色の旧市街のピンク色が新しいペンキで際立っている。



トルコやイランでいうバザール、アラブ世界でいうスークをぶらつくもいい。
カラフルなモロッコ雑貨がピンク色の路地に似合っている。



オフシーズンでもフランス人観光客で賑わってるだけあって
中東の混沌よりアーティスティックな雰囲気が漂っている。
聞けばマラケシュは以前に比べかなり綺麗になり、しつこい自称ガイドもほとんどいなくなっているそうだ。



もちろん、庶民的な地区もまだまだある。
古い商店が連なるスークをモーターバイグが走り抜けると、
舞い上がる土埃が天井から差し込む陽光に照らされる。


2008年に訪れたときに比べると、マラケシュの物売りは穏やかで、
インドや中東のどこかの国のようにガンガン顔を押し寄せてきたり、
苦笑いしてしまうような一方的なホスピタリティもない。
旅行者をほどよい距離感でほっといてくれる心地よさに浸りながら旧市街を歩き回れる。




フェズで有名なタンネリー、皮なめし職人地区を訪れる。
さすがにこの近辺は観光客をカモにした輩が多く、
頼みもしないのにわらわらと近寄ってきてタンネリーまで道案内し始めたり、
適当なことをいいながらチップを要求してくる。
悪臭漂うタンネリーもモロッコらしい。




マラケシュを去る最終夜もCafe Glacierへ。
昨年夏キルギスタンのビシュケクにて中央アジア諸国のビザ待ちがてらサクラゲストハウスに長居していた際に出会った旅人の1人テツヤさんと5ヶ月ぶりに再会してミントティーで祝杯。
相変わらず晴れ渡った空の下、ジャマエルフナ広場を日が暮れるまで眺め続ける。
アザーンが流れ始めるまで空気を振動させる囃子隊の太鼓と笛、
アザーンが終わってからライトアップされる屋台にヨーロッパになかった異国情緒を感じる。




ロンドンと同じ地球上とは思えない世界観が違いすぎるモロッコ。
マラケシュからモロッコの一ヶ月ちょっとの旅が始まる。











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