2016年3月27日日曜日

イタリアのリミニからサンマリノへの日帰り旅行(2016年3月9日)

イタリアという1つの国の中に完全にイタリアに囲まれた2つの国が存在する。
1つはローマの中にある世界最小国バチカン市国。
そしてもう1つがサンマリノ。
ローマに滞在していれば徒歩で簡単にアクセスできるバチカン市国と違い、
列車とバスに乗り継いでいかなければならないサンマリノを今回訪れてみる。


サンマリノに一番近いイタリアの街はリミニ。
早起きできれば、街自体が魅力的なボローニャやベネチアからもサンマリノへの日帰り旅行が可能だろう。
イタリア各地からリミニまで列車が運行されているが、リミニからサンマリノまではバスでのみアクセス可能。
サンマリノに安宿はなさそうなのでリミニに滞在してみる。

ミラノ中央駅からリミニまで3時間。
ミラノ中央駅のプラットフォームにはイタリアの格好いいデザインの列車が停まっている。


思えばヨーロッパで列車に乗るのは久しぶり。
ブルガリアやギリシャはバス移動だったし、ここ最近はLCCばかりで運賃の高い列車を利用していない気がする。
尚、イタリア鉄道はネット予約するとチケットが安い。
自動販売機で2等44ユーロのミラノ〜リミニのチケットがオンライン予約で29ユーロだった。
路線やタイミングによってかなり格安で予約できる場合がある。
またスマホで予約番号を車内で車掌に見せるだけのEチケットなので楽。
車掌もタブレットでチケットチェックしているし、デジタルが浸透している近未来的なヨーロッパを感じる。

リミニではヨーロッパで珍しく普通のホテルに滞在。
リミニ駅から歩いて15分のHotel Villa Itala。
サンマリノへのアクセスだけでなく、ビーチリゾートとして有名なリミニにおいてオフシーズンの3月。
ホテルでも1泊19ユーロと安い。
不規則な時刻に人がドミに出入りするホステルと違って自分の空間を保てるのが嬉しい。


尚、イタリアの宿泊の注意点が宿泊税。
主要な観光地では宿泊税という意味不明な税金が1泊ごとに2〜3ユーロとられる。
オンラインで1泊12ユーロのミラノのホステルでも1泊2ユーロの宿泊税プラスで14ユーロになるのでぼったくりのようだ。

特に見どころもない地方の街と思っていたリミニ。
それでもいかにもイタリア風の町並みで、人混みもなく小綺麗な広場があったりする。
小さな街リミニを歩いていると、イタリアの潜在的な魅力を実感する。





軽い朝食つきのHotel Villa Italaでゆっくりカプチーノを味わい、
10時前にリミニ駅正面のバーガーキング前のバス停へ。
リミニ〜サンマリノへのバスは本数がそう多いわけでないので予め調べておく。


リミニからサンマリノ入国まで10キロ弱、30分ほど。


パスポートチェックなど一切なく、「サンマリノへようこそ」というゲートを味気なく通過する。
世界遊牧住み渡り39ヵ国目、人生127ヵ国目のサンマリノに入国。
バチカン市国はローマの中にあり、まったく国という感じがしないので訪問国数にカウントしていないが、
イタリアとの国境から首都ともいえる中心街まで20分以上かかるのでサンマリノは当然1つの国。
尚、バチカンはカウントしていないに国家承認されていない台湾、香港、マカオを訪問国数に入れていたり、と自分勝手な数え方だけれども。

バスは免税店やショッピングセンターが並ぶ道路を進み、塔がそびえる山を登っていく。
サンマリノに消費税がないそうなので、イタリア人がショッピングしにくる国として有名なのかもしれない。
バスが城壁前のバス停に到着。
帰りのバス時刻もチェックしておく。


天気予報では雨だけれども、標高700mの高地からサンマリノ、
その先のイタリアの雪山も一望できる。


門をくぐって城壁に囲まれた街に入る。
サンマリノもまた世界遺産のようだ。


他のイタリアのように観光客があまりいない石造りの坂道が現れる。
観光よりショッピングが人気だからか、ショーウィンドウが目立つ。


サンマリノ産のアルコールボトルや消費税がなくて安く購入できる腕時計が飾られている。



観光客は少ないと思っていたら、たまにロシア人の団体ツアーが狭い通りを歩いていく。
サンマリノのレストランやリミニからのバス時刻表にキリル文字が書かれている。
リミニの空港にロシアからの直行便があるそうで、サンマリノもロシア人に人気のようだ。
いずれベトナムのダナンのようにロシアから直で来れるリゾートはあっという間にロシア化が進むのだろうか。


見晴し台から望むサンマリノはオレンジ色の屋根が目立つ。
おもちゃの街のように見える。
山頂と眼下の街を結ぶロープウェイは運休中らしい。



サンマリノの中世の街はどことなくドラクエのようなRPGを想起させる。
中世の路地をぶらぶらしていると童心に戻ったようだ。
いや、大人でも十分に楽しい。



サンマリノは小さくても1つの国。
国を主張する国旗が小高い城塞を流れる風になびき、
車のナンバープレートもサンマリノ独自のものだ。



山頂には3つの塔が建っている。


崖っぷちに造られた塔と地上のオレンジ色の街のギャップがいい。
まるで天空の城にいるような錯覚を覚える。


3つの塔をそれぞれ見て廻る。
確かに天空世界にあるサンマリノの空は届きそうな近さ。
目線の先にある雨雲がゆっくりと近づいてきている。


見晴し台から眺めるそびえ立つ塔と地上世界の絶景。



青空が出ないかと待っていたら逆に雲に覆われ、
視界ゼロになってしまった。
これが天空世界の現実なのだろう。


やがて雨も降り出し、サンマリノ観光は終了。
来るのが遅ければ眼下の街さえ見ることが出来なかった。








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2016年3月20日日曜日

マルタから16年ぶりのイタリア、ミラノへ(2016年3月6日)

地中海ヨーロッパの魅力を凝縮させたマルタの余韻に浸るまもなく、イタリアのミラノへ飛び立つ。
ノンストップの世界周遊において素晴らしかった滞在地の思い出を振り返ることはあっても、
ずっと余韻に浸っているというわけにはいかない。
1つの国での旅が終わると次の国に進むわけで、その場所でもまた新たなる旅が始まり、
街歩きしながら写真を撮り、見るもの、食べるもの、聞くもの、嗅ぐもの、感じるものを吸収し続け、
旅の記憶が途切れることなく積み重なっていく。
これまで2年4ヶ月以上過ごした世界遊牧住み渡りの道程で
2ヶ月に1回くらいのペースでこれまでの旅の日々をフラッシュバックのように思い出す作業を行っている。
たとえば長距離バスから車窓を眺めながら1日ごとに何をやったか、
あるいは何を食べたかとひたすら記憶の海に釣り糸を垂らして引き上げていく。
旅を始めて3ヶ月目、半年目、250日目くらいなら10時間以上の長いバス移動で一気に思い返せるけれども、
一年以上になるととても1日では無理なことで数日に分けることもある。
つい最近、日本を発ってからアジア、オセアニア、アジア、ヨーロッパ、
北アフリカと旅の毎日、850日をゆっくりとフラッシュバックさせるのに2週間くらいかかった気がする。
当然だが旅はまだまだ続くわけで最終的にこの作業には限界があるかもしれない。
ときどき一時的に世界遊牧住み渡りを中断し、世界のどこにも属さない場所で、
時間に束縛されることなくこれまでの旅の日々をよりじっくりと振り返り、余韻に浸れればと思ったりする。
あるいは時間を一時停止して、ちょっと待ったをかけられないだろうか、
…と、ありえない妄想を抱いたりする。
いまこうして旅日記を綴っている間でさえ、記憶に蓄積されていく旅の時間が流れている。


マルタのスリーマから空港へ向かうバスはクセもの。
スリーマのバス停発着のX2のバスは1時間に一本運行されているはずなのだが、
10時11分に来るはずのバスを10時前から待っていたのに40分経っても来なかった。
次の時刻のバスも来ないとなればフライト時刻が危なくなってくるので、
一度スリーマからヴァレッタに移動し、ヴァレッタのバスステーションから空港行きX4のバスに乗った。
ヴァレッタは始発だし、1時間に二本運行しているので安心できる。
といより、ちょっとでも満員だったらバス停でずっと待っている人を乗せてあげなかったり、
時刻より15分くらい前にバス停を通り過ぎていったり、
マルタのバス運行システムは眉間にしわが寄る。

マルタからミラノへのライアンエアーでオンラインチェックインの際に窓際席を振り当てられる。
LCCから窓の景色を堪能できるのは初めてかもしれない。
おかげでミラノ近郊のベルガモ到着前に湖水地方と雪山を見ることができた。



物価高のミラノのホステルは12ユーロとそう高くない。
とはいえ、ミラノ中央駅から2キロ、ドゥオーモ周辺まで4キロ…。
ホステルの設備もキッチンに食器が少なかったりと値段相応である。

これまで最低気温10度前後のモロッコ、チュニジア、マルタからだいぶ北上したからか、
3月中旬のミラノは寒い。
ちなみに2000年の地中海ヨーロッパ周遊中に訪れて以来16年ぶりのイタリア。
ミラノも16年ぶり。
懐かしのミラノの街歩きとテンション高めに目覚めたら、
2度という気温の中冷たい雨が舞っていた。
それでも中央駅、スカラ座、ドゥオーモと見て廻る。

スリや置き引きが多いと言われているミラノ中央駅。
細心の注意を心がけながら中央駅をぶらつく。
列車チケット自動販売機をいじろうとするといきなり現れたおじさんに何か言われる。
イタリア語で何を言っているか分からなかったし、自動販売機で特にチケットを買う予定がなかったのでスルーする。
おじさんはニヤニヤしているだけでそれ以上何か喋ることもなく去っていった。
ウワサどおり怪しい輩が多いのでイタリアでは気を引き締めなければならない。
中央駅の外に出ると16年前にも見たビルが雨にあたっていた。


また16年も経てば最先端をいくイタリアの経済都市は変貌するもので、
モダンな高層ビルが目立つ。


せっかくイタリアに再訪したのだから本場のピザを食べる。
中央駅近くのこぢんまりとしたピザ屋に入ると、
マルゲリータで4ユーロ、いろいろトッピングして6ユーロと思っていたほど高くない。
少なくともロンドンの物価よりはるかに安いミラノ。
ナポリの薄っぺらくて美味いピザと比べなくても十分に美味しいピザ。
チュニジアのファーストフード店やモロッコのピザハットで食べたものより格段レベルが上。
ハムとオリーブ、キノコとなかなか途切れないチーズ、新鮮なトマトが載って6ユーロ。
イタリア旅行では外食できずにひもじい思いをすることはなさそうだ。


変哲もなさそうな建物の前に観光客が集っていたりする。
近づいてみるとスカラ座劇場。
特にあてもなくぶらぶらするのが自分の旅のスタイルに合ってるが、
ミラノのような観光地ではガイドブック見ながらの歩く方がいいのかもしれない。


スカラ座のすぐ近くにあるのがヴィットーリオ•エマヌエーレ2世のガレリア。
前回ミラノで一番印象深かった豪華絢爛なアーケード街。
ガラスドームの天井に覆われ、高級ブランドショップ、
カジュアルな格好で入るのがためらわれるカフェが並ぶガレリアほど華麗なアーケード街はそうない気がする。



スカラ座側からガレリアに入り、直進して抜けるとドゥオーモが現れる。


モロッコ、チュニジアでずっとモスクを見て来たからか、
いきなり視界を占める荘厳な大聖堂に圧倒されてしまう。
さすが観光大国イタリアの大都市ミラノだけはある。
二週間前に観光客がまったくいないチュニジアにいたのが信じられない。


さりげなく通り過ぎてしまいそうな店もイタリアっぽい。
ファッションセンスのない人間には分からないマネキンがショーウィンドウに飾られていたりする。


そういえば、この街に来て、
日本出国してからずっと着ているユニクロのパーカーがよれよれだと気がついた。
まだまだ最低気温が氷点下近くと寒いイタリアだけれども衣替えが必要かもしれない。

ヴィットーリオ•エマヌエーレ2世のガレリア近くでF1でキミライコネンが2007年に移籍して以来お気に入りのフェラーリの店も発見。
フェラーリショップは尻込みせずに堂々と見て廻る。



その翌日は冷たい雨が上がっていた。
それでも気温は3度と寒い。
避寒地として年明け後に旅したモロッコ、チュニジアにもう少し長く滞在すべきだったかもしれない。
前日にいきなり本場イタリアでピザを食べるという目的を成就したので、
この日は中華料理を食べる。
他のヨーロッパの大都市同様、ミラノにもチャイナタウンがあり、
しかも安く中華料理が食べられるそうだ。
場所はミラノ中央駅から2キロほど東、Paolo Sarpi通り周辺に位置する。


中央駅からチャイナタウンに歩いて行く道程、
斬新な高層ビルやガラス張りのスーパーを目にする。
古い遺跡や教会が多いローマとは明らかに別方向に進んでいるイタリアの中心都市ミラノだ。



Paolo Sarpi通りから突如チャイナタウンに迷い込む。
ロンドンのように中華門などないが、一歩はいると漢字の店だけになり、
通行人の9割は中華系になる。
イタリアにも華僑が多いとはちょっとカルチャーショックであり、
顔は中国人だがイタリア語を喋っているのが驚きである。


ホステルで自炊できるので中華スーパーでカップ麺やインスタント麺を仕入れておく。
そして早速安い中華レストランを発見。


四川料理店のようだが、メニューを見ると、
担々麺が4.5ユーロ、麻婆豆腐が3.5ユーロと前日の6ユーロのピザよりずっと安い。



ロンドンの中華街の半額以下で食べられるので興奮してくる。
迷うことなく入り、麺かご飯ものか迷ったけれども、
すでにカップ麺を買っているので久しぶりに中華飯にする。
回鍋肉とご飯で5.5ユーロ。
モロッコ、チュニジアでは基本的に米は主食でないので久しぶりの白いご飯。
ロンドン以来、しかも手頃な価格な中華料理に大満足だった。


満腹中枢が満たされると街歩きのモチベーションも高くなり、
紅の豚の飛行艇が飛び立つシーンの舞台になったとウワサの運河を見に行ったりした。
残念ながら運河の水量は少なかったが。



ミラノ2泊3日後は海沿いの街リミニに移動し、
ヨーロッパの小国サンマリノを訪れる。







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