2016年5月29日日曜日

モンテベルデ自然保護区で雲霧林歩き(2016年5月6日)

中米の観光大国コスタリカ。
コスタリカが西欧人バックパッカーだらけになってしまう人気の理由はエコツーリズムで、
自然保護区を訪れるのがメインの目的になっているようだ。
どちらかというと都会派の自分だけれども、
せっかくコスタリカに来たのだから自然保護区を訪れてみる。
サンホセから有名なモンテベルデ自然保護区に向かう。


標高が高く涼しいサンホセで4日間休息をとった。
蒸し暑く、何もしなくても汗がにじみ出てくるパナマから一気に涼しいサンホセに移動したからか、
情けないことに後半は風邪気味。
サンホセからモンテベルデに移動する当日起き上がると、
風邪が悪化して微熱があり、体がだるかった。
避暑地として訪れたサンホセで体調を崩すなんて情けない。
これ以上サンホセに長居しても意味がないので、体調が悪いままモンテベルデに進むことにした。
より涼しくなるが平和そうなモンテベルデに着いてからゆっくり休んで風邪を治したい。

町西側にあるターミナル7・10からモンテベルデ行きのバスが出ている。
avenida 7、calle 10にあるバスターミナルなので分かりやすい。
モンテベルデ行き時刻は午前6時と午後2時半のみで、
暗い夜明け前にバスターミナルまで歩いていく気になれないので、午後2時半の便で向かう。
サンホセ〜モンテベルデで2650コロン(500円ちょっと)。
モンテベルデの観光の中心地サンタエレナまで5時間かかるのに、
簡易な座席、通路の手すり、と市バスのようなものだった。


リクライニングも効かないバスだけれども、風邪でダウンしているので眠りっぱなし。
日が沈み、濃霧が山道の視界を遮る中、午後7時過ぎにサンタエレナに到着した。
ふらふらする体でホテルel suenoにチェックインすると、
一泊13ドルちょっとの三人部屋ドミは自分一人。
近場のぼったくり高価格のスーパーで水と菓子を買い、
風邪薬を飲んですぐに寝込んでしまった。



翌日一日中を静養にあて、
体調が良くなった三日目にモンテベルデ自然保護区へ向かう。
サンタエレナで泊まっているホテルel sueno前のバス停からモンテベルデ自然保護区行きのバスが出ている。
一日3便くらいなので予め宿のスタッフに時刻を確認しておく必要がある。
早めに朝飯を食べ、午前7時半発のバスに乗った。
英語ではMonteverde Cloud Forest(モンテベルデ雲霧林)と呼ばれているようだ。
標高の高さもあって雲霧に覆われているからか、普通の熱帯雨林と生態系が異なるらしい。

自然保護区の入り口で他の若い西欧人バックパッカーたちと同様降りる。
コスタリカは東南アジア並みに西欧人が多いかもしれない。
入園料は20ドル。
さらにガイドツアーに加わると17ドルとられるようなので自力で探索することにする。
確かにガイドがいた方が保護区の動物や鳥を見つけやすいのかもしれないが、
修学旅行のようなグループに加わってワイワイと生物を見るのは気がひけるし、
自分の目で樹海に潜む動物や鳥を発見した方が喜び倍増だろう。

雲霧林のハイキングコースはいくつかある。
まずは人工物の吊り橋を目指してみる。


薄い霧が流れるジャングルは緑一色である。


樹木はコケで覆われ、枝から垂れ下がっている光景はちょっと不気味。


湿った土壌のコースを歩いていくと、いきなり動物とご対面。


すぐに逃げられてしまい、カメラに収めることができなかったが、
鼻が長い小さなアリクイだった。
賑やかなガイドツアーでなく、一人だったからこそ見れたのかもしれない。
ビギナーズ・ラックでないことを信じつつ歩き続ける。
光が入らない雲霧林の世界は恐竜が出てきても違和感がない。


巨大なシダが頭上を覆っている。
まるで雲霧林の天井のようだ。
だからか、たまに雨が降っても雨水がシダに遮られて自分に届かない。


水雫が溜まった苔の細部にも見入ってしまう。


ときどき人とすれ違う以外は静まり返った森林を想像していたけれども、
甲高い鳥の声が樹海に響き渡り、ガザガサと葉がうごめき、
虫の羽音が流れ、水滴がテンポよく落ち続け、
賑やかな雲霧林。


不意に現れる吊り橋。


深い緑が迫っている細い橋はジュラシックパークに出てきそうだ。


25mの高さがある橋から雲霧林を見渡せる。


橋から落ちたら元の場所に戻れなそう。


橋の途中で熱心にカメラ撮影しているグループがいて、
カメラの方向を見ると、青と緑と赤の色鮮やかな鳥が二羽いた。
一羽は長い尾のような羽を垂らしている。


なんと、この色鮮やかな鳥がケツァール。
コスタリカを含めた中米で有名な幻の鳥にいきなり遭遇できるとは。
まさに幻の鳥にふさわしく、再び木の枝から飛び立ったと思うと樹海の中へ消えていった。


吊り橋を渡り切り、展望台があるハイキングコースをゆっくりと進む。


鳥の鳴き声や葉のざわめきに耳をそばだてて、
周囲に何かいないかじっくりと苔むした木々を見つめる。


足元に不気味な原色をまとったムカデが動いており驚く。


雲霧林には美しい鳥や動物だけでなく、ムカデやクモ、蛇なんかもいる。


雲霧が濃くなった気がする。


ブルルルルン…と小さなエンジン音が周囲の木々をざわめかせる。
その正体はハチドリ。
枝に小さな巣を作って住んでいるハチドリが体よりも大きな旋回音を出して飛び回っている。


展望台にたどり着くものの、
雲に覆われた熱帯雨林だけあって視界は悪かった。


さらに奥に進むコースが通行止になっており、
一度橋に戻ってから別の山道へ。
途中木の枝で遊ぶ猿がいた。
あまりにも遠いのでどんな猿か分からない。


また、吊り橋で幻の鳥ケツァールを見れて満足していたけれども、
別コースに人間が作った木箱に住むケツァールがすぐに見つかった。
幻の鳥をこんなに簡単に見れていいのだろうかと多くの人々が集うケツァール鑑賞スポットで思ってしまう。
まあ、先に偶然目撃した後なのでよしとしよう。


締めとしてもう一本別のハイキングコースを歩いて滝を見に行く。
名前は分からないがキツツキのようなインコのようなカラフルな鳥とも遭遇。
そして辿り着いた滝はちょっとしたおまけみたいな感じ。


あまりにも小さい滝で拍子抜けだが、アリクイや猿、ハチドリやケツァールを見れた後なので十分。
都会派でも存分に堪能できるモンテベルデ自然保護区の雲霧林歩きとなった。









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2016年5月26日木曜日

パナマからコスタリカへの国境越え(2016年4月30日)

パナマでの10日間を終え、ボカスデルトロからコスタリカへ向かう。
熱帯雨林に覆われたコスタリカは緑一色。
中米諸国の中で比較的治安が良いそうで、これから先の治安の面で心配なニカラグア、
ホンジュラス、エルサルバドルの前に一息つけるかもしれない。


ボカスデルトロの快適だったHostal Hansiを午前8時にチェックアウト。
コスタリカとの国境を越え、バスを乗り換えて首都サンホセまで行くつもりなので、
早い時間帯にボカスデルトロを出発する。
バックパックを背負ってボート乗り場に歩き出して早々、
少年にアルミランテ行きボートに案内される。
料金は4ドル。
ボート乗り場で待っている旅行者は二人、地元の人が5人なので出航までしばらく待たされるのかと思ったが、
よくありがちな満員になってから動き出すシステムでなく、
15分くらい待ってから半分も埋まっていないのに出航した。


パナマ本土に向かってボートがスピードを上げていく。
毎日蒸し暑いパナマで海を切る風が心地いい。
時々エメラルドグリーンに海面も見え、パナマ10日間の旅の有終の美と言えそう。

アルミランテの小さなボート乗り場に到着してからバス停まで歩いていく。
歩き出してまもなく、国境行きのシェアバンの誘いがあり、7ドルなので乗ってしまった。
アルミランテから国境まで自力で行くためには途中の街までバスで行き、
そこで新たに国境行きのバンに乗り換えないといけない。
6人の西欧人バックパッカーとバンをシェアして国境手前のパナマ側のイミグレに到着。
特に金を請求されることなく出国スタンプを押され、
ラッキーと思って国境の橋を渡ろうとすると、
橋前の小さな窓口でパナマ出国税として4ドル取られてしまった。
人の往来が少ないパナマ〜コスタリカの国境をなす小さな川に架かる橋を渡る。


昨年の今頃タイから陸路でミャンマーとの国境を越えたようにあっさりとしている。
牧歌的な川に架かる橋の先にコスタリカのイミグレがある。
数人の旅行者がいて一人一人オフィスに入っていく。
コスタリカもパナマ同様出国用のチケット提示を求められると言われている。
あらかじめコスタリカのサンホセからメキシコへ飛び立つダミーチケットをコパ・エアラインのサイトで作成しておいた。
でも実際には入国カードに滞在先など書き込むだけで出国航空券はおろか、
コスタリカ滞在に対する質問すら一切なかった。
拍子抜けするも中米2カ国目のコスタリカ入国に安堵。
今後もひたすら陸路でメキシコまで北上できるはず。

コスタリカ側の国境の町Sixaolaの小さなバスステーションは橋を降りてすぐに見つかる。
チケット窓口でサンホセ行きの時刻を尋ねると午前10時。
6500コロンをドル払いで13ドルちょっとだった。
すでに10時40分と思っていたらコスタリカはパナマより1時間遅れているのでまだ9時40分。
早めにボカスデルトロを出発しただけあって暗くなる前にサンホセに到着できそうだ。

Sixaolaからサンホセまで6時間。
エアコンなしのバスは蒸し暑く、途中止まるコスタリカ海岸線は西欧人バックパッカーに人気があるらしく、
次から次へと若いバックパッカーが乗り込んできて満員となった。
海岸線を離れると曲がりくねった山道を進んでいく。
標高も上がり、午後2時頃に雨が降ると、涼しい風が窓から入ってくる。
何度も居眠りを繰り返したバスで午後4時過ぎに雨上がりで暑くないサンホセに到着した。


サンホセのバスターミナルは巨大なバスターミナル一つでなく、
周辺にいくつからのバスステーションやバス会社が集まっており、ある意味分かりにくい。
しかもバス会社が集まる地区は治安が悪いらしく、
バスを降りてから街の中心に歩く道程、閑散とした不気味な界隈があったり、
路上で居眠りするホームレスのような人が多くてアンモニア臭かったり、
第一印象が悪いサンホセである。


またコスタリカに入ってから家屋の入り口、窓の鉄格子はもちろん、
外部からの侵入を防ぐ有刺鉄線の多さが目につく。
警官の数も異様に多く、たとえ中米諸国でそう治安が悪くないコスタリカといえでも首都は別だろう。


歩いて辿り着いたホステル、Pension de la Cuesta B&B。
ホステルワールドのクレジットで予約し、5ドル引きで4泊で35ドル。
B&Bだけあって閑静なホステルだけれども、
サンホセに4日間滞在する上での一番の失望がWiFiが遅すぎること。
今後の旅程を練ったり、航空券を探すのに苦労しそう。

サンホセもまた碁盤の目状の町。
着いて早々のバスステーションが集まる地区を抜かせば街歩きで恐れることなく、
若者や家族連れの往来も多い歩行者天国に安心できる。
もちろん警察が多いだけあってスリなどに注意したい。


路上で物を売る光景はなぜかモロッコのカサブランカを想起させる。
カサブランカもまた猥雑な活気がある町だった。


余談だけれど、コスタリカは中南米の3Cと賞賛され、美人が多い。
確かに歩行者天国を歩いていると顔立ちが整った美女に目がいく。
小太りしたインディオ系や黒人ばかりだったパナマから来たばかりだとなおさらそう感じる。
ちなみに頭文字Cから始まる残り2カ国はコロンビアとチリ。



パナマシティの旧市街近くでも見かけた中華門を見かける。
華僑が多いコスタリカの首都だけあって中華街があるようだ。


サンホセのチャイナタウンはこぢんまりとした一本の通りだけで、見かける中国人も少ない。
中国製品を売るスーパーや中華レストランが数件並んでいる。


なぜか孔子の像なんかも飾られている。
日曜日だからか人通りが少なく、シャッターを下ろしている店が多くて活気がない中華街。


一方、地元の人々が寛ぐ広場と教会前。



教会内は静かで気を休めるのにいい。
標高が高くて蒸し暑いパナマよりマシといっても、日中の街歩きで汗をかく。


街を東に進んでいくと、コロニアルな建物が目立つ。
小さな広場の前に豪華な劇場がある。
内装も素晴らしく、カフェが付随している。



緑に包まれた家も発見。
いかにも自然との調和を目指すエコツーリズムが盛んなコスタリカらしい。


逆に斬新なデザインの教会も存在する。
閑静な地区に突如現れる尖塔に見入ってしまう。
屋内のステンドグラスもカラフルなコスタリカを反映しているようだ。




比較的安心して歩いて回れるサンホセ。
市場周辺はフルーツ売りの掛け声が飛び交い、ラテンアメリカの猥雑さの中に活気がある。


古くからある市場に寄ってみる。
その名も1880年から続いているメルカード・セントラル。


観光客向けのちょっとした土産の他に野菜や肉類、日用品、動物やアクセサリーなんかも売られている。


メルカード・セントラルは何よりもローカルな食堂が多く、ランチタイムに行くと誘いが多かった。
魚介類の専門店や具沢山のスープなど美味しそうな屋台風食堂が並んでいる。


なぜか居酒屋風の食堂もある。
赤提灯に飾られた寿司や魚介類を出す店のようだ。


誘われるままに適当な一軒の席に座ってみる。
他の人が食べている具沢山のスープが美味しそうで、
指差してみるとメニューを見せてくれ、3000〜3500コロン(600〜700円)のスープ。
Sopa de Carne、肉スープを注文してみる。
肉の量もさることながら人参、イモ、バナナといろんな野菜が柔らかく煮込まれたスープが出てくる。
これまで中米で食べてきた食事で一番美味しいかもしれない。


ご飯と豆と肉が基本のパナマに比べて食事にバリーエションがあり、
どれも美味しいコスタリカ料理に長居したくなってくる。
メルカード以外の食事もかなりいける。
値段は500円程度なので安くないけれども。


もちろん食べてばかりいるわけにいかず、
サンホゼの次に熱帯雨林の国立公園モンテベルデに行ってみようと思う。







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