2016年6月28日火曜日

エルサルバドルのサンタアナからグアテマラのアンティグアへの国境越え(2016年5月28日)

中米を北上する旅もパナマからコスタリカ、ニカラグア、ホンジュラス、エルサルバドルと進み、グアテマラへ。
ホンジュラス、エルサルバドルは5日間ずつと駆け足で回ってきたのでグアテマラで3週間くらいのんびり過ごしたい。


白人のサーファー天国であまり居心地良くなかったエルトゥンコをすぐに離れてサンタアナへ。
サンタアナにはHostal Casa Verdeというロンプラで絶賛されている宿があり、
いかにも西欧人が好きそうなアットホームなホステルで清潔だけれども、
ベッド一つ一つにコンセントやファンが付いているドミは10ドルとちょっと高め。


また広い中庭やプール、ハンモックがあったりと寛げる空間が溢れているものの、
他に旅行者向けの宿が少ないサンタアナだからか西欧人で混み合っている。
一人でまったりと酒を飲みながらネットサーフィンしたり、
意気投合した人と旅話に花を咲かせるのが好きな自分にとって
若い西欧人バックパッカーが大勢集うロンプラに掲載されて人気の宿は向かない気がする。


サンタアナ滞在中に首都サンサルバドルを訪れてみる。
ニカラグアのマナグアのときと同様、サンタアナからバスに乗っての日帰り旅行。
あまり治安が良くない中米の首都においてバックパックを担いで宿を探し、
デジカメを入れたリュックを背負って街歩きするより
近郊の町に宿をとって手ぶらで日帰り旅行する方が身も心も軽い。

サンタアナから201番で西バスターミナルに行き、そこからダウンタウンまで歩いて往復。
炎天下喉の渇きに苛まれつつ歩いたサンサルバドルはチキンバスからの黒い排気ガスで空気が濁り、
有刺鉄線と鉄格子でガードされた建物ばかりの典型的な中米の都市だった。
バスターミナルに付随した安食堂の鉄柵に檻の中で食事をとっている動物の気分になるし、
落書きだらけのボロ屋や空き家に手ぶらで来て良かったと実感。




昼間から地元のおっちゃん達に混じってホームレスやずっと独り言を言っている気のふれた人が集う広場で休息する気になれず。



でも、広場を囲むコロニアルな建物や荘厳な大聖堂は訪れる価値がある。


外から見ると廃墟のような外観も薄汚れた教会もある。


が、中に入ってみると側面から天井に弧を描くステンドグラスが美しかった。


サンサルバドルのダウンタウンは市場や露店が占めており、活気がある。
薄汚れた町並みでも人通りが多い。


ビニール袋入りの水売りやケーキ売りが歩き回り、
いろんな商品が売られている青空市場は歩行者天国になっており、
ごちゃごちゃとした乱雑さが心地いい。


また、首都サンサルバドルだけあってダウンタウンを離れるとショッピングモールがあり、
ミスタードーナツやスターバックス、ファーストフード店が集まるフードコートに北米にさまよいこんだようだ。




荷物を持たない日帰り旅行だからそこ自由気ままに歩きまわれ、
治安に臆することなく探索できるサンサルバドル日帰り旅行となった。



エルサルバドルからグアテマラへの国境越えの日。
再びチキンバスを乗り継いで行く。
希望としては旅行者用のシャトルバスで一気にグアテマラのアンティグアまで行きたいところだが、
サンタアナからシャトルバスは見つからなく、自力で国境へ向かうしかない。
コスタリカ、ニカラグア、エルサルバドルとずっとローカルバスを乗り換えてきたので慣れてきているものの、
これまた治安が悪いと言われるグアテマラシティでアンティグア行きに乗り換えないといけないので不安もある。

早朝6時半過ぎにHostal Casa Verdeを去る。
バス乗り場は朝から賑わっている市場の近く。
並んでいるチキンバスから国境行きのバスに乗り換える町Ahuachapan行きの210番のバスを探す。


ちょうど走り出す瞬間だったので急いで乗り込む。
バックパックはいつものように頭上の狭い荷台に載せる。
途中多くの人が乗り込んできて通路に立っている人も多かった。
でも地元の人々は途中で降りていく。
チキンバスを何度も利用して思うのだが、始発バスターミナルから最終目的地までずっと乗っている人は稀で、
たいてい途中の道端でバスを止め、適当な場所でバスを降りていく。
そのためサンタアナから50キロもないAhuachapanまで1時間半以上かかった。
バス料金はたった50セント。

Ahuachapanの終着地で降りてから、国境行きのバス乗り場を尋ねる。
ジェスチャーで方向を指し、公園から出ると教えてくれる。
青空市場を歩いていくとやがて公園が見えてくる。
公園の門の反対側にて国境行きのミニバスも発見。
ミニバスも50セントと安い。


国境行きの乗合バスはゆっくりと進み、早朝起きのため睡魔もやってくる頃、
下る山道の路肩で停車した。
ここから国境まで歩くようだ。
イミグレらしき建物は道路脇にあった。


入国時と同様、パスポートをコンピューター上でチェックされるだけで出国スタンプはなし。
エルサルバドルに出入国したという履歴はパスポートに残っていないのが残念。
イミグレを出てから国境をなす川に架かる橋を渡る。
わずか5日間だけ滞在したエルサルバドルと早くもお別れ。


山奥ならどこにでもありそうな川を橋から眺める。


短い橋を渡りきるとグアテマラ。
中米6カ国目であり、今回の世界周遊において46か国目。
カリブ海諸国にたどり着く頃に50か国となるだろう。


無事グアテマラ入国と思っていたのも束の間、
橋を渡ったところにエルサルバドルのようにイミグレオフィスが見つからなかった。
道路脇には小さな商店があり、村が広がっているようで戸惑ってしまう。
午前中の早い時間帯でまだ暑くない中、山道を登っていく。
10分ほど登りきったところにようやくイミグレのような建物が見えてほっと一息。


イミグレに入ってみると窓口で並んでいる人がいない。
パスポートを見せるだけで入国スタンプを押される。
世界にはいろんな国があり、入国カードを記入して入れる国、
到着時、あるいは事前にビザが必要な国、ビザを持っていても入国時にいろいろ質問され、
荷物をくまなく調べられる国、と入国手続きもさまざま。
その中で中米ほど入国が簡単な場所も珍しい。

イミグレの建物を出てすぐにグアテマラシティ行きのチキンバスの客引きに案内される。
エアコン付きの大手の国際バスが2台並ぶその先にお馴染みのチキンバスがある。
ニカラグア入国時に初めて乗ってからもう何度も乗っている。
誰でも出し入れできる荷台のバックパックへの注意は忘れない。
出発時刻は不明だけれども、まだ10時前なので気長に待つ。


国境からグアテマラシティ、現地人がグアテと呼ぶ首都まで100キロもない。
料金は30ケツァル(450円)と交通費が格安だったエルサルバドルよりはちょっと高め。
人の乗り降りが激しいバスは曲がりくねった山道を進み、
やがて眼下に広がりのある盆地の町が見えてくる。
マンションやちょっとしたビル群も目立つ。
高層ビルがほとんどない低層な建物ばかりの中米の首都を見てきた後だと、
グアテマラシティは都会に感じられる。
サンサルバドル同様チキンバスからの排気ガスで大気汚染もひどそうだ。
街中に入るとファーストフード店や商店が並ぶ普通の中米の都会の光景である。

毎回不便なのが中米の大きめの町での乗り換え。
いろんな行き先のバスが集まったバスステーションがなく、
バスターミナルがあっても東西南北の目的地で分かれているケースが多い。
国境からのバスは全く不明で、多くの乗客は途中の幹線道路沿いで降りていく。
乗客が数人しかいなく不安になってきたので、
チキンバスの集金係にアンティグア行きのバス乗り場を尋ねるも分からない様子、
しかも車の修理工が集まる乱雑した辺鄙な場所で降ろされる。
どう見てもバックパックを背負って歩き回れる雰囲気でないし、
そもそもアンティグア行きのバス乗り場が不明なので中米の旅で初めてタクシーに乗ってみる。
交差点に停車したタクシーを捕まえる。
アンティグア行きの駅と伝えると知っているようだ。
料金は50ケツァル(750円)と言われたが、
どれくらいの距離走るのか分からないし、初めてのタクシーで相場も不明。
タクシーは鉄の塔のようなモニュメントが立つ交差点を越えて進んで行く。


地図を見てもどこを走っているか不明。
治安が悪いと言われるグアテマラシティでどこに向かっているのか把握できない状況は不安で仕方がないが、タクシードライバーに全てを委ねるしかない。
タクシーは一度チキンバスが停車しているガソリンスタンドに寄り、
アンティグア行きを尋ねている様子。
ガソリンスタンドの人は丁寧に教えてくれて、すぐにアンティグア行きのバス乗り場に到着。
地図を改めて見ても辺鄙な界隈にしか思えない。


正確にはチキンバスを収納している車庫のようで待っている人はほとんどいない。
でも確かにアンティグア行きと正面に記載されており、これが行くようだ。
周囲は人通りがほとんどない界隈で、自力でこの車庫を見つけ出すのは不可能。
タクシーに乗って正解だった。

すぐにバスが出発し、アンティグアまで快調に進む。
途中の幹線道路沿いで多くの人が乗り込んでくる。
他にも多くのチキンバスが停車しており、どうやら大きな道路と道路が交わるエリアでバスを捕まえるのがグアテマラシティのシステムのようだ。


窓から入ってくる涼しい風が心地よかったエルサルバドルから一転、肌寒くさえ感じる。
かなり標高が上がっている。
ファーストフード店やショッピングセンターが続くグアテマラシティを出て1時間半くらいで、
石畳のこぢんまりとした街に到着。
世界遺産のアンティグア。
コスタリカ以上に観光客が多く、洒落たツーリスティックなカフェやレストランの多さにいきなり戸惑ったけれども、
ここからグアテマラの旅が始まる。








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2016年6月22日水曜日

ホンジュラスのコパンルイナスからエルサルバドルへの国境越え(2016年5月23日)

ホンジュラスのコパンルイナスからエルサルバドル国境まで距離にして50キロくらいだが、
曲がりくねった山道をゆっくり進んでいくので、乗り換えも含めて所要7時間。
朝早くコパンルイナスを出れば余裕でエルサルバドルのビーチまでたどり着けると思っていたのに、
二日間もかかってしまった。

当初、コパンルイナスから旅行者用のシャトルバス・サービスで一気にエルサルバドルのビーチ、エルトゥンコに向かう予定だった。
が、宿泊しているIguana Azulや他の旅行会社を訪ねても火曜日までエルサルバドル行きのシャトルバスがないとのこと。
コパン遺跡を見終わった日から三日も待たなければならない。
快適なコパンルイナスに長居しても悪くないけれども、
最低4人集まらないと運行されないシャトルバス・サービスが必ずしも火曜日にあるとは限らないので、
自力でローカルバスを乗り継いで国境越えすることにする。
コパンルイナスからサンタローサデコパンに行き、
サンタローサデコパンからエルサルバドルとグアテマラの国境に近い町オコテペケへ。
オコテペケからすぐ南の国境の町エルポイに移動し、国境越えしてから首都のサンサルバドル行きのバスをつかまえる。
さらにエルトゥンコにたどり着くためにはエルポイから到着するであろうサンサルバドルの東バスターミナルから西バスターミナルに移動し、西バスターミナル発着のバスに乗ってラ・リベルタードという港町に行き、
そこでバスを乗り換えてようやく最終目的地に行き着く。



つまり、コパンルイナスからバス7本に乗らなければならない。
もちろんエアコンなしで乗り心地悪いミニバンかチキンバスである。
乗り換えが6回もあるのでスムーズに当日中にエルサルバドルのビーチにたどり着けるか微妙だが早起きして向かってみる。

前日コパンルイナスのバスステーションで尋ねると、
Casasolaのサンタローサデコパン行きミニバスが6時40分、8時と出ている。
コパンルイナスからエルトゥンコの直線距離は150キロくらいだし、
いくら山道続きとはいえ8時のバスに乗れば正午くらいに国境越えできるだろうと甘く見ていた。
午前8時に出発したミニバスは途中の街で乗客を拾ったりしつつ、
恐ろしく遅いスピードで向かう。
予想していた2時間くらいの乗車時間で先に払った100レンピーラ(500円)は高いなと思っていたけど、
案外時間もかかりそうだ。
サンペドロスーラ方面の道路との分岐点の街ラ・エントラーダで多くの乗客が降り、
代わりに別の人々が乗ってくる。
結局、サンタローサデコパンに到着したのは11時半。
7回乗るバスの第一弾から3時間半もかかり、先が思いやられる。

乗り継ぎがスムーズでありがたく、
サンタローサデコパンのバスステーションにて待ち時間なしでオコテペケ行きのミニバスの乗り込む。
サンタローサデコパンからオコテペケは80キロちょっと。
バス料金90レンピーラ(450円)。
このミニバスものろのろと進み、人の乗り降りが多い乗り合いバスだ。
2時間半以上山道を走り、田舎のような日曜日のオコテペケに到着した時は午後2時を過ぎていた。

もちろん、オコトペケから国境を越えてエルサルバドルを進むことも可能。
でも国境越えでどれくらい時間がかかるかわからないし、
国境からサンサルバドルまで3時間以上かかるとして、街中でバスターミナル間移動のバスを探していると暗くなってしまいそう。
今回の国境越えにおいて先を急がずまだまだ夕暮れまで時間があるがオコテペケで一泊してみる。
ホンジュラスのコパンルイナスからエルサルバドル国境への直線距離50キロちょっとの旅はバス2本で早くも終了。
3本目以降は翌日に持ち越された。
サンタローサデコパンからのミニバスを降りてすぐ目に入るHotel Turistaで値段を聞いてみると、
ホットシャワーが出る快適で清潔な部屋で250レンピーラ(1250円)とお得。
ホンジュラス最終日を予定していなかったオコトペケで過ごすのも悪くない。



オコトペケの快適なHotel Turistaで半日休息した翌日、
7時過ぎから行動を開始する。
宿を出た目の前にミニバンが停まっており、尋ねてみたらエルサルバドルとの国境の町エルポイ行きであり、
しかも10分後に出発するという。
幸先の良い日である。
中米のミニバスは中央アジアのマルシュルートカに似ているけれども、
満席にならないと出発しないという忍耐力が要するシステムではなく、
野菜のかごを積み込んだおばさん、おじさんと自分三人だけでガラガラなのに出発してくれる。
西アフリカのシェアタクシーのように満席になって出発するまで8時間以上待たされるという悪夢がないのでありがたい。
料金も10レンピーラ(50円)とお手頃で10分くらいで国境前に到着。
朝8時前だからか閑散としているホンジュラス側。


まずホンジュラスの出国。
イミグレの窓口で指紋を取られ、小さな出国スタンプが押されて終了。
朝早いと待ち時間もなくスムーズだ。
誰も歩いていない国境を少し歩けばすぐにエルサルバドル側のイミグレ。
入国側の窓口に並んだのになぜか逆の出国側に回され、
コンピューターでパスポート情報を入力するのを待つだけ。
エルサルバドルの入国に際して入国税は取られないし、
パスポートページにスタンプすら押されなかった。
味気なく中米5カ国目、住み渡り45か国目となるエルサルバドルに入国。
バスステーションへと続く田舎のような街を歩いている限りここがホンジュラスなのかエルサルバドルなのか分からない。
ニカラグアと言われても信じてしまいそう。
おそらく中米ほど国と国の違いが希薄で、国境越えで変化をあまり感じない地域はない気がする。
10分くらい歩いて辿り着いたバスステーションにて首都サンサルバドル行きの119番のバスを待つ。
エルサルバドルのバスは番号で振り分けられておりわかりやすい。
のんびりとした雰囲気に国境越えの高揚感もなし。


8時半頃、119番のチキンバスが出発。
噂に聞いていた通りエルサルバドルのバス料金は安く、サンサルバドルまで⒈7ドル。
パナマ以来のドル通貨がまた分かりやすくていい。
国境を発った時は人が少なかった車内も通過する町で乗客を拾い、
気がつくと満員に近かった。
乗り心地が悪いチキンバスもニカラグア、ホンジュラス、エルサルバドルと乗り続けると慣れてくる。


3時間半くらいでサンサルバドルに着く。
車窓の風景は廃車工場やライフル銃を持った警備員に守られた商店だったりとホンジュラスと変わらない。
同時にかなり迫力のある小汚い町並みなのでまだまだ治安に注意したい。
チキンバスから黒い煙が排出され、空気の濁り具合は半端じゃない。
蒸し暑さもあって腕からにじみ出る汗も黒ずんでいた。

国境からのバスが到着するのは東バスターミナル。
東バスターミナルから市バスで西バスターミナルに移動し、
そこからラ・リベルタード行きのバスを捕まえなくてはならない。
降りてすぐに何人かの人に西バスターミナル行きを尋ねるも34番という以外にあまり分からず。
西方向の交通の流れに沿ってバスを待つも34番は全く現れず。
バスターミナルの外でも別の人に聞いてようやく34番の市バスに乗れるバス停が見つかった。
西バスターミナルに向かうのだから東から来るバスに乗ると思っていたら、
東バスターミナルの近くのロータリーが折り返し地点らしく、
反対側の道路で西から来る34番を待たなければならなかったようだ。
乗り込んだ34番はすぐに迂回して進路を西側に変えていく。
なお、東バスターミナルの周辺はガラが悪いようで、
バスが通過する細い通りは廃れた雰囲気が漂っており、怪しいバーも陰気臭く運営している。
昼間なので人通りもまばらにあるが、暗くなってから絶対に歩きたくない界隈である。

やがてバスはサンサルバドルの中心と思われる活気あふれる商店街を進む。
久しぶりの都会らしい猥雑な活気に歩き出したくなったが、
バックパックを持っての移動なので数日後にゆっくりと手ぶらで歩きたい。
覆面をした警察官が数人銃を持って警備している光景に油断禁物である。

多くの乗客が降りるバス停があり、ここが東バスターミナル。


オコテペケを8時前に出発したのにすでに13時過ぎ。
バスターミナル隣接の薄暗い食堂で軽食を食べる。
ソーセージの炒め物とご飯、瓶コーラで2.5ドル。


食後すぐにラ・リベルタード行きのバスを探す。
最終目的地のエルトゥンコまであとちょっと。
てっきり西バスターミナル内から発着すると思っていたら、
バスターミナル前の道路をラ・リベルタード行きの102番が通過するそう。
辛抱強く待って102番に乗り込む。
サンサルバドルからラ・リベルタードまで1時間ちょっとで60セント。
中米の小国とはいえバス料金が安すぎる。
自分のバックパックは結構でかいので荷台に載せるのをためらっていると、
バスドライバーが文句を言ってきたので短距離移動にもかかわらず荷台に押し込む。
一応スリに注意しつつバックパックに目をやるも疲労からか居眠り。
ホンジュラスを抜けたからといって気が緩みすぎである。

リベルタードに着くと、他の乗客がすぐにエルトゥンコ行きのバスを教えてくれる。
エルサルバドル人は親切という第一印象が芽生える。
教えてもらった80番のバスに乗り込むと満席。
エルトゥンコまでわずか6キロなおでバックパックを背負ったままチキンバスに揺られた。

ようやく3時頃にエルトゥンコ到着。
ホンジュラスのコパンルイナスからミニバスやチキンバス7本乗り継ぎ辿り着いたエルサルバドルのビーチ。
有名なエルトゥンコは西欧人サーファーばかりでドン引きで物価高だけれども、
ここからエルサルバドルの旅を始めようと思う。







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2016年6月16日木曜日

観光客が少ない古代マヤ文明の遺跡、ホンジュラスのコパン遺跡(2016年5月20日)

ホンジュラスを訪れた最大の目的であり、唯一の目的といえるのがコパン遺跡。
今後グアテマラ、メキシコを北上していくと何度か見るであろう古代マヤ文明の遺跡を初めて見る。


昼間の熱がこもった天井下の部屋で暑苦しくて熟睡できなかったサンペドロスーラの宿、Dos Molinosをすぐに去る。
部屋自体は綺麗だったけれどもWiFiは部屋まで届かないし、眠れないのに20ドルも取られるのは高い。
Dos Molinos唯一の利点はバスターミナルへの送迎サービスがあることだろう。
世界一治安が悪いと言われるサンペドロスーラで市バスや10ドルもするタクシーを使わずに済む。
トーストとコーヒーだけの簡易な朝食を終えてバスターミナルに送ってもらった。

サンペドロスーラからコパン遺跡のベースとなるコパンルイナスの町までHedman AlasとCasasolaという会社がバスを走らせている。
Hedman Alasはエアコン付きの大型バスだが料金はかなり高く、
自動車学校への送迎ミニバスのようなCasasolaはHedman Alasの4分の1ほど、140レンピーラ(700円)とお手頃。
本数もCasasolaの方が多いので当然安い方を選ぶ。
それにしても、サンペドロスーラのバスターミナルは入り口からしてライフル銃を持って武装した警備員が多いし、
バス乗り場にも拳銃を持ってガードマンがいる。
あまり治安が良くない中米でもこんなに銃を見かける町はなかった気がする。


ほぼ満員のミニバスは午前11時に出発。
コパンルイナスに向かうバスだけあって西欧人バックパッカーも二人乗っていた。
すでに気温が高く、開け放たれた窓から入ってくる熱風に気分が悪くなってくる。
ドライヤーの風を浴びているようで窓を閉めた方がまだましである。
それでも、山道に入っていくと風が涼しくなってくる。
銃を持った警察が車の荷台に乗ってパトロールしているサンペドロスーラを出れば、
ニカラグアと変わらないのどかな山林風景が続く。
途中何もないような道端で新たに母娘が乗り込んできたり、
小さな家屋が点在する山中でおじさんが降りたりする。
水滴に覆われたペットボトルのジュースを洗面器に入れて売る若者が乗ってくるときもある。

3時間半くらいでコパンルイナスに到着。
コパンルイナスへようこそと書かれた橋を渡り、石畳の小さな町に入る。
コパンルイナスがただの田舎町に見えないのは世界遺産のコパン遺跡のベースとなる町だからだろう。
町の奥の方にあるIguana Azulという宿まで歩く。
一泊350レンピーラ(1750円)を3泊するということで割引してもらい一泊300レンピーラ(1500円)。
清潔で落ち着いたクリーム色と橙色のペイントの部屋であり、
窓からのそよ風に揺れる白いレースのカーテンや卓上ライト、
高い天井についたファンのライトのオレンジ色の明かりに癒される空間は
ちょうど1ヶ月滞在した中米で一番居心地いい。


日が沈むと涼しくなる山奥の町でホットシャワーを浴びられるのが贅沢。
思えば、パナマから始まった中米の旅で常時ホットシャワーが出る宿はなかったはず。
WiFiもニカラグアでなかったほどの満足できるスピードで、
コパン遺跡とは別にIguana Azulで寛ぐためだけに長居してもいいと思えるコパンルイナス。
ちなみにIguana Azulの隣に同系列のCasa de CafeというB&Bがあり、
値段が高めだからか西欧人の子連れ観光客が宿泊していた。
逆にIguana Azulは自分一人。
静かで快適なプライベートな空間に緊張感が伴う中米の旅の疲れがとれる。
唯一Iguana Azul宿泊客に朝食は含まれておらず、
コパンルイナスでベストと評判の朝食を隣のCasa de Cafeで食べると150レンピーラ(750円)。
部屋代の半分もするけれども、一回くらい食べる価値がある朝食だった。




コパンルイナスの町は小さな田舎町であり、観光客向けの町でもある。
中央広場はホンジュラスと思えないほど平和でのんびりしており、
タイのトゥクトゥクのようなタクシーが石畳の坂道を登る光景に気が和む。



カラフルな家屋が連なる通りを歩いているだけで楽しい。




やはりコパンルイナスはコパン遺跡のためだけの町でなく、
ホンジュラスで魅力のある街の一つのようだ。
涼しくなる夕方頃から人々が玄関先に出て寛いでいる。



朝晩は涼しいとはいえ、標高500メートルちょっとのコパンルイナス。
最高気温が30度後半になる午後を迎える前にコパン遺跡へ向かう。
町から遺跡まで何キロも離れたアンコールワットと違い、
道路沿いの整備された歩道を歩いて20分くらいでコパン遺跡の入口にたどり着く。

カンボジアのアンコール遺跡群やミャンマーのバガン仏塔群を知っていると、
がらんとした駐車場やビジターセンターに拍子抜けしてしまう。
ホンジュラス一の観光地なのにほとんど観光客がいない。
コスタリカやニカラグアで溢れていた西欧人バックパッカーもちらほら見かけるくらい。
むしろホンジュラス人の訪問客が目立つ。

コパン遺跡の入場料は330レンピーラ(1600円)。
博物館や地下トンネルは別料金なのでとりあえず払わず。
ビジターセンターの入口で見かけた案内板によるとJICAがコパン遺跡の保護に貢献しているそうだ。


ホンジュラスからグアテマラ、メキシコのユカタン半島に散らばるマヤ遺跡。
人生初の古代マヤ文明の遺跡をホンジュラスで見るのは悪くない。
逆にメキシコやグアテマラで他の遺跡を見てから南下してくる頃には遺跡廻りに飽きているような気もする。


いざ遺跡内へ。
直射日光を遮る樹木の間の道を歩いていく。


木の上で怪物のようなギャーギャーとなく声が聞こえるので見上げてみると、
虹色の巨大なインコがとまっている。


周辺にインコ用の木箱や水飲み場が設置されており、間近でカラフルなインコと対面できる。
鳴き声もさることながら、顔もくちばしも迫力がある。


遺跡内の地図と探索ルートを眺めてから歩き回る。
手入れされた草原に佇む石の祭壇。


修復が現在進行中のピラミッドのような石段が南側に広がっている。


草原にはステラと呼ばれる石像がいくつも点在している。
マヤ古代人だろうか。
ガイドブックを読み返してみるとラビット18世という王様とのこと。


遺跡保護のためだろうが少なからず景観を乱すバラック屋根のもと、石像が立っている。


草原にはステラとあわせてマヤの神々も展示されている。



それにしても訪問客がまばらすぎるコパン遺跡。
観光客が溢れかえっているアンコールワットやマチュピチュにない開放感がいい。
すぐ近くで先の怪物のようなインコの鳴き声が聞こえてくる。
近づくと6羽のカラフルなインコがとまっている。


たまに木の枝間を巨大な虹色が舞う。


崩れ加減と鬱蒼とした樹木のコントラストがいい。


石段を登ってみると鳥の頭の彫刻を発見。
この一帯で見かけるインコに違いない。
まるで石壁に飲み込まれているようであり、大空に飛び立つことを渇望して悲鳴を上げているように見える。
古代から虹色のインコが生息していたのだろうか。


修復中でテントで保護された階段もある。
崇高なレリーフに見とれてしまう。
強い日差しを遮るテントも悪くないかもしれない。



崩れかけた巨大な石段を裏から登る。
遺跡を突き破って成長している樹木に生命力の強さを実感。



アクロポリスと呼ばれる南側には二つの広場があり、
広場に挟まれるように自然に同化したピラミッドのような寺院がある。



寺院に入口があり、追加料金を払えば地下トンネルに入れるようだ。


手入れされた草原の北側と異なり、
南側のアクロポリスの方が遺跡が崩れていたり、
樹木に侵食されていたりと遺跡ぽっさが強い。




遺跡群の一番奥、最南端にかつて住居だった遺跡が放置されてる。
緑に覆われた光景はアンコール遺跡群のベンメリアに似ている。


誰もいない朽ち果てた住居跡を歩き回っていると、
このためだけにホンジュラスに来た甲斐があったと実感する。
鳥の声をのぞけば静まり返った樹林で石たちが息を潜めているようだ。



日差しが強くなり、気温も上がる午後、
深い樹木に覆われた遺跡をゆっくりと回るのに限る。



大満足の人生初のマヤ遺跡となった。













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